岡山県真庭市の重要文化財に指定されている高岡神社の宝刀は、今から375年前につくられた刃長三尺五寸(106,1cm)、全長四尺五寸四分(137,8cm)の非常に長い刀で奉納するためにつくられたものです。残念なことに、いつの時代か裏銘にある注文主の名前が削られて現在読めなくなっています。

  • 太刀
    【表銘】備中国水田住大月八良左衛門尉源國重 
    【裏銘】寛永十八年五月吉日 備州水田住次左衛門尉國重為□氏作之
    ※それぞれ刀剣の表と裏に刻まれている文字。

初代大月八良左衛門の刀は、寛永七年とこの寛永十八年の二振しか現在確認されていません。これ以降、代々国重家の嫡子が八郎左衛門の名を受け継いでいるのですが、この初代の作者が大月与五郎と同人なのか弟の市蔵(初代山城大掾源国重)か、あるいはまったくの別人なのかということがわかっていません。研磨を通してこの謎に迫りたいと思います。

八良左衛門の宝刀研磨は無鑑査に認定されている黒田守寿さんが担当します。

[刀剣研師 黒田守寿氏の経歴]
本阿弥流重要無形文化財保持者(人間国宝)小野光敬に師事し10年間修業
昭和51年 福岡にて独立
平成11年 大宰府天満宮神前御用刀剣研師に認定
平成12年 日本美術刀剣保存協会・研磨の部、無鑑査に認定

プロジェクトの詳細についてははREDYFOR様のページにてご確認頂けます。